このような方
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おしっこする時、おへそ・下腹付近が引っ張られるようなツーンとした痛みを感じる
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痛みを感じてからおへそが腫れてきた
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腫れたおへそから膿が出てきてしまった
上記全てに該当する場合、尿膜管遺残症かもしれません。
尿膜管遺残症を経験した者として、尿膜管遺残症について発症してから完治するまでの症状や病院での処置など詳細に説明させていただきます。
ちなみに私の尿膜管遺残症の発症に関して
発症回数:合計4回
発症時期:高校3年の9月、大学3年の1月、大学院1年の12月と1月
尿膜管遺残症とは
胎児の頃に母親と赤ちゃんをつないでいるへその緒に通じている管(尿膜管)が通常であれば、出生後に閉じるはずのものが閉じないで残ってしまっている状態のことです。その管が閉じていないことで尿などから排出されるはずの菌が尿膜管にも溜まってしまい炎症や膿など酷い場合、悪性腫瘍が発生してしまうそうです。
どんな症状なのか
僕の場合、初めて尿膜管遺残症の症状が出たのは高校3年生の時でした。
冒頭でも述べたように、
- おしっこの最中にへそ・下腹部が引っ張られるようなツーンとした痛みを感じました
- へそが少し赤く腫れていました。
- 数日すると痛みも腫れも大きくなっていきました
- へそから膿が出てくるようになりました
- 最終的にへそがポリープのように赤く腫れ上がってしまいました
さすがにこのままではマズいと思い、病院に行くことにしました。
何科に行くべきか
結論から言いますと、
外科 の一択だと思います!
外科以外は行かない方が良いと思います。
なぜ外科の一択なのかと言いますと、
- そもそも尿膜管遺残症自体が珍しい病気
- 外科以外の医師はあまり尿膜管遺残症について詳しくない
- 誤った判断をされてしまう恐れがある
これらの理由は、当時の僕が実際に体験して感じたものです。私は大学院1年の時、1ヶ月の間で2回も尿膜管遺残症が発症してしまいました。
下宿先の近くに外科の病院がなかったため、ネットで消化器内科や泌尿器科でも診察してもらえるという情報を知り、その情報を信じてしまいました。
消化器内科(オススメしない)
- 私が医者に尿膜管遺残症に関する説明を行うところからスタート
- 手術覚悟で来たのに、ほとんど治っているから大丈夫と判断
- 少量の薬を処方してもらい診察終了
→ その後、2、3週間でまた尿膜管遺残症が発症しました。
泌尿器科(オススメしない)
「医者が私に尿膜管遺残症ってどういう病気?」と質問された
この時、もう外科に行こうと思いました(笑)
(※ 僕の行った病院が尿膜管遺残症に関して専門外だっただけかもしれません)
始めから外科に行ってれば、無駄な時間や労力を使わなくてすんだという後悔があるので、もし尿膜管遺残症かもと思っている方がいましたら、外科をオススメします。
治療方法
個人の状態や症状にもよりますが、
- 膿出し
- 抗生物質の薬
- 手術(必要がない場合もある)
この3点のどれか or 複数の治療が必要となります。
膿出し
1つ目:金属の細い棒 を腫れ上がったへそに突っ込み膿を出す方法
※通常は麻酔をしてから治療してもらえるので安心してください。
しかし、僕(高校3年時)の担当医がヤブ医者だったみたいで、麻酔もしないでいきなり金属棒を腫れ上がったへそに突っ込んでグリグリ動かしてきました。
いまだにこの時感じた痛みを超える痛みに遭遇したことはありません。その医者を今でも恨んでいます。
おそらく大丈だと思いますが、膿出しの治療してもらうことになった場合は、念のために担当医に麻酔をしてもらえるか伺ってください。
2つ目:腫れ上がったへそを切開して膿を出す方法
大学3年の時、違う病院の外科に行きました。その際はしっかり麻酔をしてもらってから、腫れ上がったへそを切開し、膿を出してもらいました。
そのため腫れはすぐになくなりました。
抗生物質の薬
尿膜管の菌を殺すため、抗生物質の薬を処方してもらえます。
その薬のおかげで5日間くらいで痛みはひきました。
しかし、この薬はあくまで菌を殺すためのもので、その薬によって尿膜管が閉じるわけではありません。そのため、薬を飲んで一時は治ったかのように感じますが、僕のように数年または数ヶ月で繰り返し発症してしまうことも十分にあります。
僕の場合は、高校3年時と大学3年時のどちらの医者にも手術をしなければ治らないと言われました。(時期的に非常に忙しく手術ができませんでした)
結果、手術自体は大学院1年の2月に行いました。
手術
手術名:腹腔鏡下尿膜管摘出術
- お腹の側面に数カ所穴を開ける
- その穴から筒状の器具を挿入(カメラや手術用のハサミも挿入)
- その器具から体内に炭酸ガスを注入しお腹を膨らませ手術用のスペースを作る
- 尿膜管を切断
- へそ上部から切断した尿膜管を摘出
手術時間:4、5時間
手術自体は難しくないそうです。むしろ簡単な手術らしいです
ただメスでお腹の数カ所を切るため、お腹に手術の傷跡が残ってしまいます。
あと、全身麻酔を必要とするので麻酔後少し気分が悪くなるかもしれません。また、のどに違和感や声のかすれ、咳や痰といった症状が出ます。(個人差はあります)
1週間前後の入院が必要になります。(状態によって変わります)
完治までの流れ
手術前日
- 手術日の前日に入院
- 身体検査(身長・体重・血圧など)
- 麻酔科の医師から全身麻酔についての説明
手術当日
- 飲食禁止(水はOK)
- 腕に点滴の針を挿入
- 手術時間の変更(他の緊急オペが入ったため)※よくあるらしいです
- 手術室まで自分で歩いて行きました
- 手術台に寝そべり、酸素マスクをつけ、点滴から全身麻酔の薬が投入されます
- 腕がひんやりとしてきたとな思っていたら、意識を失いました
- 急に目が冷めます(まだ手術室)
- 目覚めてから30分〜1時間くらいは意識がボーっとしています
- その間に麻酔がきれてきて手術の痛みが強まります
- 麻酔は計3回 してもらいました(全身麻酔は除く)
- 手術の傷の痛みと身体の熱でその日は寝れませんでした。
- 痛みは麻酔で和らぎますがそれでも痛かったです
- 熱は38度くらいありました

痛みに関しては、特に10代後半〜20代前半の男性が痛みに敏感
手術後日
- 痛くてトイレに行くのも大変でした
- 咳やくしゃみも痛くてできません(咳 : 1週間くらい、くしゃみ : 2,3週間)
- 手術の傷の痛みとは別に深呼吸をすると肋骨あたりに痛みを感じました
- 手術の際、体内に炭酸ガスを入れたことによる副作用
- 笑うと死にます(1週間くらい笑うの我慢しました)
- トイレ以外はほぼ寝たきりでした
- おしっこすると尿膜管遺残症の特有の痛みがありました(1ヶ月くらい)
- この日から眠ることができました
- 徐々に痛みが和らいできます
- 便秘にならないようにできるだけ院内を歩く必要があります
- 腸の活発化
- 点滴の取り外し
- 食事の許可
- 退院の許可(大体1週間前後)
退院後
- 始めの1週間はまだ痛みもあるので普通の生活にも苦労しました
- 退院日から5日目に手術傷に貼ってあったガーゼを取りに病院へ行きました
- 手術日から3週間目と3ヶ月目に経過観察ため病院に行く必要があります
- 痛みは1ヶ月くらいで完全に消えました
- へその腫れは手術後もずっと残っていましたが2ヶ月程で完全に消えました
現在(傷跡)
手術してから半年以上経ちましたが、何不自由なく生活できています!運動や筋トレも普段通りできてます!
手術の傷跡は残ってしまいましたが、逆に今となっては手術の思い出となっています(笑)
手術の傷跡がどんな感じか写真を載せておきます。

少しでも尿膜管遺残症の方やその可能性のある方の参考になればと思います。